注目のだじゃらー Vol.35
イラストレーター せきぐちえりさん
- お名前:HappyLuckyla(ハッピーラキラ)せきぐちえり
- 出身地:千葉県旭市(銚子市の隣)
- 職業:会社員・イラストレーター
- 趣味:絵を描くこと、アクセサリー制作
- 私にとってのだじゃれ:つながり(人と人、人と笑顔をつなげてくれるもの)
今回のゲストは、協会HPのだじゃれショップで「ダジャレ缶バッジ」を販売している関口さん。絵が可愛く、そして種類豊富なダジャレ缶バッジは如何にして出来上がったのか…。その辺りの経緯をバッヂリと伺ってきました!
父と社会の先生がだじゃれの先生!?
Q(ひでちか) :
まずはだじゃれの原点についてお聞かせください。
A(関口さん) :
父がだじゃれ好きで家でも頻繁にだじゃれを言ってました。その影響で自然とだじゃれが生活の中にありましたね。
Q(ひでちか) :
お父さんの影響だったのですね。
A(関口さん) :
今でもよく覚えているのが、小学生のときに社会の授業で「世界の国名をだじゃれで使って表現しよう」という宿題があり…(笑)。その宿題を父と一緒に必死で考えましたね。
Q(ひでちか) :
そんな宿題を出す先生も面白い(笑)だじゃれ好きだったのですね。
例えばどんなだじゃれを考えたのですか?
A(関口さん) :
「モーリタニアはもったいにゃあ」や「カンボジアのかぼじゃあ(かぼちゃ)」等ですね。
この宿題は周りの友だちより多く提出することができました(笑)
Q(ひでちか) :
そんな努力をしたら宿題が優秀作品に選バーレーン訳がないですね(笑)
そこからだじゃれのイラストを描くようになったきっかけは?
A(関口さん) :
元々、漫画家養成専門学校に通っていた時にだじゃれのイラストを描いたら隣の子が大笑いしてくれたことが凄く嬉しくて、それからだじゃれのイラストを頻繁に描くようになりました。
実は、当時のイラストも今日持ってきました。
▲当時のだじゃれイラスト。現在、「ダジャレ缶バッジ」となっているものばかり
Q(ひでちか) :
これはとっても貴重な資料ですね。左上の茶色のシミから、しみじみと当時の関口さんの思い入れが伝わってきます。このイラストを描いたことが、すぐに缶バッジの制作につながったのですか?
A(関口さん) :
いえ、漫画家の夢を諦めて普通に会社員として就職しました。ですので、このだじゃれイラストを販売してみたい思いがありながらしばらく寝かせていましたね。
Q(ひでちか) :
お気持ちとても分かります。私もだじゃれで何かできないかと思いながら、実際にだじゃれ活用協会を設立したのは38歳の時でした。
A(関口さん) :
私が缶バッジの販売を始めたのは、30代になってからですね。デザインフェスタにハンドメイドアクセサリーと、ダジャレ缶バッジを販売出展しました。
Q(ひでちか) :
反響はどうでしたか?
A(関口さん) :
ブースに立ち寄った方から「だじゃれの商品を売っている」みたいな声があがり、そこから徐々に…ですね。最初は在庫を抱えるのも怖かったので、各ダジャレ缶バッジとも最小限の数で作成していました。
Q(ひでちか) :
思うように売れないと、在庫も頭も抱えてしまいますからね(笑)
今、缶バッジは何種類まで増えたのですか?
A(関口さん) :
シリーズ5まで出していて、通常のシリーズ以外のものも含めて70種類ほどあります。
▲インタビュー中の一コマ。机に並べられている缶バッジも70種類の中のほんの一部です。
Q(ひでちか) :
70種類は凄いですね。作品を作るときに1番こだわっていることは何ですか?
A(関口さん) :
デザインですね。細かな部分ですが、キャラクターの動きや顔の表情には力を入れてます。
Q(ひでちか) :
例えばどんな作品でしょうか?
A(関口さん) :
「レタスが取れたっす」や「タコをたたこう」「値切って買ったネギ」などイラストと一緒に小さく声を発しているものは、発している表情・声(セリフ)の内容にこだわっています。例えば値切って買ったネギは「チッ」と声を出すことでキザっぽさを出しています。
▲確かに俺を安く買うなんて…とキザな雰囲気が出ている。このネギは刻まれて薬味になるのだろうか。。。
Q(ひでちか) :
人気のある作品はどれですか?
A(関口さん) :
「スーパースターが吸うパスタ」、「冷めたサメ」、「コンドルが地面にめりこんどる」、「酒の叫び」、「レモンのいれもん」5種類です。こちらは人気シリーズということでシールもあります。
▲人気の5種。缶バッジだけでなくシールになるのが人気のしーるし!
A(関口さん) :
また、実はコンドルやみかんのダジャレ缶バッジは続きのストーリーがあるんです。
コンドルは「地面にめりこんどる」の続編として「喜んどる」という缶バッジがあり、これはめりこんでいたのが抜けて喜んでいるという裏設定があるんです。笑
みかんは「アルミ缶の上にあるミカン」の続編として「みかんがみっかんない」という缶バッジがあります。
▲アルミ缶の上にいたはずのミカンがみっかんなくなる…とても気になるストーリーだ。
Q(ひでちか) :
そんな裏ストーリーがあったのですね。今後の缶バッジはそういうところにも注目していきます!コンドルは他のグッズにも採用されていますよね。グッズはどんな風に展開を考えているんですか?
▲コンドルはTシャツやコースター、ミニ巾着などにも採用。他にも様々なダジャレグッズを販売中!
A(関口さん) :
文房具は自分で欲しいなと思うものから作っていきました。
グッズに関してはブースに来てくれたお客様から「こんなの作ってほしい」と要望をいただくことがありまして…ロット数の関係などでなかなか作れないものもありますが、少しずつ増やしていけたらと思っています。
Q(ひでちか) :
ちなみに…お父さんにだじゃれについて相談はするのですか?
A(関口さん) :
相談しないですね(笑)
ただ、家族はみんな喜んでくれています。
Q(ひでちか) :
社会の授業みたいにお父さんがとうとう参上する日にも期待したいです(笑)
子どもたちから広がるだじゃれの輪
Q(ひでちか) :
通常のシリーズ以外ではどんなものがあるのでしょうか?
A(関口さん) :
都道府県ダジャレの缶バッジを作ってます。
今は北海道・東北・関東が缶バッジになっています。
▲関東の缶バッジ。これは感動ものだ。
Q(ひでちか) :
ここでのこだわりは何かありますか?
A(関口さん) :
イラストにご当地のものを何か描くようにしていますね。あとは都道府県のだじゃれは色々あるので、被らないようにしつつ、皆さんの記憶に残るような変わったものを考えるようにしています。
Q(ひでちか) :
「群馬の援軍まだ?」とか確かにとてもユニークですね。作るときのご苦労はありますか?
A(関口さん) :
だじゃれによっては絵とするのが難しかったり、時事的なものは作れなかったりと表現の難しさはありますね。
ただ、作ること自体は喜びです。
▲誰もが知っている「布団がふっとんだ」もイラストにするのは難しそう
Q(ひでちか) :
作品はどういう人に手に取ってもらいたいという思いはありますか?
A(関口さん) :
定めないようにしてますね。だじゃれの良さは子どもからお年寄りまで楽しめるところだと思います。より多くの人に喜んでもらえたら嬉しいです。
Q(ひでちか) :
誰もが楽しめることは大事ですよね。今はネット以外だと対面の出店はどのくらいの頻度で行っているのですか?
A(関口さん) :
年2回あるデザインフェスタには必ず出店するようにしていますね。
あとは2~3か月に1回地域のイベントで出店しています。
Q(ひでちか) :
何かイベントで印象に残っていることはありますか?
A(関口さん) :
目黒のキッズイベントで出店したとき、子どもたちに「だじゃれを2個言ってくれたら、ダジャレ缶バッジを1個プレゼントするよ~」と伝えたことがあって…。その時は200個のだじゃれを子どもたちから貰う代わりに、100個の缶バッジを配ったんです。
▲目黒でのイベントの様子。次の機会があったら、巡ろ〜と思います。
Q(ひでちか) :
素敵なイベントですね。子どもたちも喜んでいましたか?
A(関口さん) :
本当に色んな子がいて。お父さんお母さんと一緒に楽しく考えてくれる子もいれば、だじゃれ好きなおじいちゃんと一緒に来てくれる子もいたり…。普段家ではだじゃれを言わない子が一生懸命考えている姿に驚いているお母さんもいて…だじゃれを中心にコミュニケーションが生まれているのが嬉しかったです。
Q(ひでちか) :
実際子どもたちから貰っただじゃれで缶バッジにしたものはあるのですか?
A(関口さん) :
「センスの良い扇子」や「わにが輪になって踊る」は子どもたちからもらったものですね。
他にもまだまだたくさんあるので、今後続々と缶バッジ化していきます。
▲これら5つは子どもたちのアイデアから。子どもたちと一緒になって、作品をキッヅキ(築き)上げてます!
「クスッと笑って幸せ運ぶ」笑いの連鎖を実現したい
Q(ひでちか) :
今後、何か手掛けたいイベントはありますか?
A(関口さん) :
商品が売れる売れないではなく、だじゃれを普及させていけるようなイベントやブースを作りたいです。
缶バッジ制作のワークショップだったり、前に一度実施したダジャレ缶バッジのガチャガチャであったり…。
▲ダジャレ缶バッジガチャガチャのチラシ。これはワクワクする
Q(ひでちか) :
だじゃれの普及素晴らしいですね。缶バッジづくりやガチャガチャは子どもたち含め多くの人が喜びそうですね。
A(関口さん) :
私は「クスッと笑って幸せ運ぶ」笑いの連鎖をテーマにしています。
相手が笑うと自分も楽しいので、ダジャレ缶バッジを売るブースから笑顔が連鎖していくと嬉しいですね。
Q(ひでちか) :
「笑いの連鎖」、とってもいいですね!不要不急の外出を控える必要もなくってきましたし、関口さんなら、これからも笑顔が拡がる場所をさらに普及させていけると思います!
本日はありがとうございました。
<あとがき>
インタビューで印象に残っているのは関口さんの周りを笑顔にしたいという考え方です。これは手紙交換で隣の子を笑わせたときから目黒でのイベントまで一貫して相手に喜んでもらいたいという姿勢があるからだと思います。
ダジャレ缶バッジを通して関口さんは漫画家にならずとも、「笑いという連鎖」を日々連載しているのだと感じました。今後も新作ダジャレグッズ楽しみにしております。
インタビュー by 鈴木ひでちか
レポート by 電気とデニム
関口さんのダジャレグッズは以下のURLからご購入いただけます!
◇公式ショップHP