注目のだじゃらー Vol.10 starmixさん
- お名前:starmix(スタミ)
- 生年月日:1984年
- 出身地:埼玉県
- 職業:グラフィックデザイナー
- 趣味:DJ、アニメ観賞
- 私にとってのだじゃれ:愛用の道具
今回のゲストは、大人気のLINEスタンプ『ダジャレンジャー』シリーズ(第1~3章)の制作者である、starmix(スタミ)さんです!実はスタミさんとはネット上で知り合いました(笑)。だじゃれ活用協会では、運営メンバーのことを「ダジャレンジャー」と呼んでいるのですが、「ダジャレンジャー」をキーワードにネット検索をしていたスタミさんに偶然発見いただきFacebook上でお友達になった次第です。それ以来、私も『ダジャレンジャー』スタンプを愛用させてもらっていますが、今回はその誕生秘話をお聞きしてきました!
Q :
まずはご職業からお聞かせください。
A :
グラフィックデザイナーです。元々は紙の販促物等を作っていたのですが、今はモバイルアプリの開発会社でデザイナーをしています。
Q :
昔からデザインや絵を描くことは好きだったんですか?
A :
デザインを始めたのは高校生くらいからで、クラスTシャツを作ったりしていました。ちょっとやっただけで引き込まれてしまって、それがそのまま今の仕事になった感じです。でも実は絵はあまり得意ではなかったので、グラフィックデザイナーとして働き始めてからもイラストが必要になった時にちょっと描く程度だったんです。絵を描くことに直結していない仕事も多いので、意外と困りはしなかったですね。今はスタンプのヒットのおかげでイラストに対する苦手意識が少し薄れてきたので、フリーのイラストレーターとしてもお仕事させていただいています。
Q :
今回、私達は『ダジャレンジャー』LINEクリエイターズスタンプをきっかけに知り合ったわけですが、このスタンプはどのような経緯で誕生したんですか?
A :
LINEをはじめSkypeやチャットとか、SNSを使ったコミュニケーションが昔から大好きで、ユーザーとしてLINEにとても共感していました。2014年の春に「LINEがクリエイターズマーケットを始める」というプレスリリースを見て、イラスト勝負ではなく、使いやすさ重視で何かできないかと思って作ったのが、ダジャレンジャースタンプでした。
Q :
どうして“だじゃれ”だったんですか?
A :
新卒で入った会社に「お疲れんこん」 とか「おはヨーグルト」 と毎日のように言う先輩がいたんです。それが寒くなかったというか、すごくナチュラルな感じでその影響を受けました(笑)
インタビューは都内のレストランで。手前が『ダジャレンジャー』スタンプの画面Q :
そんな挨拶をする先輩に周りはどんな反応だったんですか?
A :
「寒い」という指摘は受けていなくて、「おはよう」を言うのと同じようにとても自然な感じで使っていました。先輩は関西の人だったのもあって、いつも話していることが面白かったのもあったと思います。そんな先輩と一緒に仕事をしているうちに、気づいたら自分も使うようになっていたんです(笑)
Q :
それがLINEスタンプを作る時の材料になったと?
A :
その頃には私もだじゃれをガンガン使うようになっていて、私がだじゃれ好きなのを知って、友達が“スタミちゃんへ”というハッシュタグでだじゃれをたくさんツイートしてくれるようになっていたんです。
Q :
自動的にだじゃれが集まってくるようになったんですか!?そんなにだじゃれまくっていたんですか?
A :
いえいえ、他の人がだじゃれを言っているのを見て「いいな~」 とかだじゃれを好きな気持ちをツイートしていたら自然にそうなりました。
ノベルティとしてつくられたシールを分けていただきました。スマホの中だけのスタンプがリアルになっているのも面白い!Q :
ダジャレンジャーのキャラクターはどうやって誕生したんですか?
A :
まずは名前からです。語呂の良さですね。「おはヨーグルト」もそうですが、ちょうど『おぼっちゃまくん』世代で、子どもの頃、「茶魔語」が流行っていたんです。それで潜在的に馴染みがあったから良いと思ったんでしょうね。
Q :
ダジャレンジャーは、茶魔語とごちゃ混ぜになって誕生した訳ですね?
A :
そうですね、だじゃれというよりもっとざっくりした言葉遊びという観点で良いなと思って、そこから考えました。レンジャーだから、5人組かな?とか。絵を描くのは苦手なので、5人分きちんと個性を出すことは泣く泣く諦めたんですが、漫画家の友人からのアドバイスで顔のパーツやスカーフの色など簡単な部分で少しだけ変化をつけています。だいぶ苦しいですがこれで何とかレンジャー感を出しました(笑)
ノベルティグッズとしてシールの他に、スマホカバーも(右手前)Q :
よく見ると色が分かれているんですね。色別に何か特徴があったりするんですか?
A :
あります。レッドは堅実なキャラ。いい子ちゃんテイストのおなじみのネタで、「おはヨーグルト」とか「お疲れんこん」 とか、みんなが普通に使える無難なものが多いです。ちなみに一番最初に描いたのが「おはヨーグルト」でした。
Q :
赤だけに「あかん!」 って言われないようなネタがレッドなんですね?
A :
そうです(笑)ブルーは少しウザいような、濃い目のキャラです。ダジャレンジャースタンプは1章から3章まであるんですが、メイン画像になっているのは全てブルー。カバーボーイですね。
Q :
ブルーの代表作は「たしカニ」?
A :
そうです。タコの口みたいになっていて、かわいいけど若干イラッとする顔で言っちゃうお調子者です。あとは「ちらりんご」もかなり使われている鉄板ネタです。ノベルティを作る時によく使っています。 イエローは泣き虫で心配性のキャラです。
Q :
イエローだけに、モジモジしてないでちゃんと言えよーってことですね?(笑)代表作は?
A :
「泣き鯛」 とか「ショボン玉」、「さびしいたけ」あたりでしょうか。
Q :
それから、グリーン。
A :
グリーンは感情の起伏が激しくて怒ったりして、情緒不安定です。代表作は「イカり中」です。
Q :
キャラクター設定がしっかりしてますね。あと一色は?
A :
女の子キャラのピンクです。代表作は「ありガトーショコラ」ですかね。それと「いい湯だナス」っていうのもあります。私はお風呂好きで、携帯を持ってお風呂に入るので自分が使いたいと思って作ったんですが、あまり使う人はいないかも知れません(笑)
Q :
ピンクにも何かキャラ設定があるんですか?
A :
ピンクはブルーと恋仲なんです。
Q :
えー(驚)!ホントだ。「よろこBeer」とか「こんばんワイン」はピンクとブルーが共演してますね。
A :
そうです。「待っTEL」 なんかもそうです。あと「おだいじにんじん」とか、男性が女の子に言われたら嬉しそうなやつですね。
レッド | ブルー | イエロー |
グリーン | ピンク | ピンク&ブルー |
レンジャー各色代表作!!
Q :
なるほど。新作を作る時は「これは何色でいこう」とか、考えるんですか?
A :
そうですね、だいたいイメージしています。 あと、実はブラックもいるんです。相手に何かネガティブな発言をしたりとか、だじゃれを言った人に「寒いから止めて」って言うのではなく、ツッコミをだじゃれで返すためのキャラクターです。
Q :
だじゃれをブロックしたい時にスルーするじゃなくて、しっかりキャッチボールできるようにしているんですね?
A :
そういう優しさがコミュニケーションには必要かなと。
Q :
「ふざけるなめこ!!」とか結構、強烈なのもありますね。
A :
でも「なめこ」とか言ってると、ちょっと可愛く聞こえませんか?他にも「なんだそいつ、けしからんな」というような攻撃的な言葉を言う時も、「許せんす」 だとちょっと優しくなる。
Q :
確かにだじゃれだと過度な表現も角が取れて丸くなる感じがしますね。ダジャレンジャースタンプを作る時は先に言葉から考えるんですか?
A :
結構、デザインも含めて周りの人がリクエストしてくれるんです。一度使った人は「こんなのがあったら良いのに」というイメージが湧くんですかね。第2章の時はツイッターでネタを募集して、採用させてもらったものがいくつもあります。
Q :
ネタが集まると考えなくていいから楽ですね。
A :
そうですね。これまで3章あわせて120個作ってますけど、ネタ出し自体はそんなに大変じゃなかったです。
Q :
作ろうと思えばさらに作れそう?
A :
まだまだいけますね。入りきらず、次章に回しているものもあります。絵を描くのは相変わらず大変なんですけどね(笑)。
Q :
作者としてLINEスタンプを「こんな風に使ってほしい」という想いはありますか?
A :
「場を和ませる」のが一番の目的ですね。数あるスタンプの中でも、ダジャレンジャースタンプは脱力系。ユーザーの皆さんが、会話の相手から緩くて面白いイメージを持ってもらえるようになったらいいですね。男性で年齢層高めの人が使っても「このおじさんかわいい」とか、若い人に使ってもらって「新しいね」と感じてもらったり。怒っている時でもちょっと柔らかく伝わるといいなと思います。
Q :
ダジャレンジャースタンプを世に生み出した効果として感じていることはありますか?
A :
これまでは自分の周りの人が中心でしたが、だじゃれを使う人が増えたなぁと感じます。
Q :
どのくらい、だじゃれ人口が増えたんでしょうか?
A :
普段だじゃれを言わない人も買ってくれていると思うので、数十万人は増えたのではないかと。
Q :
だじゃれ活用協会としても見逃せない数字です。LINEスタンプの効果はスゴイですね!
A :
ユーザーさんにとってスタンプは既製品で、ネタがだじゃれであっても会話にマッチするものを選んで送るだけ。だじゃれを言うことのハードルも下がったのではないかと。それにLINE上のやりとりなら相手のリアクションを直接受け止めなくていいので、使う側のダメージも少ないのだと思います(笑)
Q :
なるほど(笑)最後にかつての新入社員時代の先輩に言いたいことはありますか?
A :
先輩が居なければダジャレンジャーは生まれていないことになるので、とても感謝しています。ただ、ご本人は覚えていないようです。ダジャレンジャースタンプを出した後にも一度お会いしたのですが、自分が発信源だとは思っていなかったようです(笑)
<あとがき>
何気なく使っていた『ダジャレンジャー』スタンプですが、まさか色ごとにしっかりとキャラ設定がされているとは思いませんでした!また、既に120個以上ものスタンプが存在していますが、まだまだたくさんのネタが控えているというのも驚きです。次回、第4章がいつ誕生するかはスタミさんのスタミナ次第のようです(笑)
インタビュー&レポート by 鈴木ひでちか
スタミさんのブログ、LINEスタンプは以下のURLからご覧いただけます!
◇starmix(スタミ)のブログ
http://starmix.me
◇starmix(スタミ)のLINEスタンプ
https://store.line.me/stickershop/author/2390/ja
◇iPhoneアプリ「ダジャレンジャーカメラ」
https://appsto.re/jp/_OsC_.i