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注目のだじゃらー

注目のだじゃらー Vol.13 髙田和典さん

和典さん(タカタ先生)

  • お名前:髙田和典(タカタ先生)
  • 生年月日:1982年12月29日
  • 出身地:広島県廿日市市
  • 職業:お笑い数学教師
  • 趣味:サイクリング
  • 私にとってのだじゃれ:みんなをハッピーにするコミュニケーションツール

今回のゲストは、高校数学教師でありながらお笑い芸人という異色の経歴を持つ髙田和典さん(通称:タカタ先生)。タカタ先生との出会いは、『仕事は、高校の数学教師とお笑い芸人をしています。「講座はこうざなくっちゃ!」と満足できることを期待してます!』と先生からダジャーレdeござ~る!に直接、お申し込みをいただいたことがきっかけ。「これはタダ者ではない」と協会メンバー一同感じていたのですが、お会いしたら事実そうだったので(笑)、今回のゲストとしてお招きする運びとなりました!

Q :

まずはご職業から伺えますか?

A :

高校の数学教師とお笑い芸人をしています。どちらかというと、笑いを取り入れながら教える数学教師なので、「お笑い数学教師の方が合っているかも知れません。今は高校生に複素数、数列、ベクトルなどを教えています。

Q :

数列を教えながらお笑いとは痛烈ですね(笑)元々、数学はお好きだったんですか?

A :

はい、子どもの頃から数学は得意でした。将来は数学者になりたいなというくらい好きでしたね。教えることも好きだったので、高校時代も「俺だったらココはこんな風に教えるのになぁ」と思いながら先生の授業を受けていました。数学以外は全然ダメでしたけどね(笑)

Q :

イメージ的には「数学とお笑い」って「水と油」のように交わらない印象がありますが、タカタ先生の中ではどうなんでしょう?

A :

笑いは関数みたいなもので、パターンがあるのかなと。例えば、y=f(x)として、fが笑いの方程式でxが自分だったとしたら、それを掛け合わせることでyという笑いの反応が起きる感じです。fとxの2つの要素がある中で自分が何をするとウケるのかな?という風に捉えていますね。

Q :

何だか分かるようでサッパリ分かりません(笑)「笑い」との出会いという意味ではどうでしょう?

A :

なぜか家に冗談も言わない真面目タイプの父親が撮りためていたドリフターズのビデオがあって、それを子どもの頃に暇さえあればよく見ていました。それから小学4年生の時に爆笑問題の漫才を見て、とても知的に感じました。爆笑問題の作る笑いに公式というかロジックのようなものが見えたんですね。それが面白いし、カッコいいなと思うようになりました。爆笑問題がボキャブラ天国に出ていた頃は特によく見ていましたね。

Q :

ボキャブラ天国は結構、だじゃれの要素も入っていますよね。ことば遊びが好きだったんですか?

A :

はい、高校時代にはお笑い好きな仲間と小噺部を作りました。一日1個それぞれが小噺を作ってきて昼休みに発表し合うという高いハードルを課したら、一週間でつぶれちゃいました(笑)

和典さん(タカタ先生)

↑ 赤いベスト&ネクタイがタカタ先生のトレードマーク


Q :

よく続きましたねーと言おうと思ったら一週間ですか(笑)

A :

語呂合わせも好きですね。ニュースを見ながら、何かそれで作れないかなとよく考えています。最近だと「50+110=160」で、「50歳までヒット(110)を打ち続けるイチロー(160)」とか。他にはAKB総選挙から「不屈(29.2)の精神で、AKB48の天下(48/10)を取ったのはさっしー(34)」ということで、「29.2+48/10=34」といった感じです。

Q :

なるほどー、さんすぅがですね!(笑)実際、数学の授業の中ではどのようにお笑いを取り入れているのですか?

A :

数学の公式や解法を教える時に、韻を踏んだり、だじゃれっぽいことば遊びを使うことがよくあります。例えば、「解と係数の関係」というのがあるのですが、方程式の2つの解をα、βとすると「α+β=-b/a」という関係が成り立ちます。これを覚えるのに、「会話が英文だとまびー(まぶい)」という教え方をしています。「解の和」=「会話」、「a分の」=「英文」、「-b」=「まびー」ですね(笑)

Q :

元が難しいので私にはピンと来ませんが、歴史の年号なんかと同じように語呂合わせがあると覚えやすそうですね。

A :

はい。他にも「等差数列の和の公式」というのがあります。これはそのままだと非常に覚えづらいので、「(初項+一般項)×項数÷2」と変換して、これをど根性ガエルの歌のリズムで「初項ぉ~プラス一般項ぉ~♪ カケル項数の半分こぉ~♪♪と伝えています(笑)

Q :

こりゃまたひっくり返る感じですね(笑)何か数学に笑いを取り入れることに対して、タカタ先生の想いがあるのでしょうか?

A :

やっぱり面白いことの方が学習意欲って高まりますよね。記憶という意味でも、感情が動いた時の方が記憶に残りやすいという話を聞いたことがあります。生徒にとっても「これ面白いなー」とか「ほぉー」とか「うまいなー」と思ってくれた方が記憶に残りやすいのではないかなと。

Q :

そこにだじゃれが一役買っていると?(笑)

A :

だじゃれは苦しくても無理矢理にでも作りやすいし、アタックしやすいのが良いですよね(笑)それで実際に覚えてくれるかどうかは分からないですけど、しつこく言っていれば何か残ってくれるのではないかなと。そうでもしないと「解と係数の関係」なんて覚える気にならないですよね。生徒の中で「先生が何かしょーもないことを言ってたなー」と記憶に残るきっかけになってくれればそれで良いと思っています。

和典さん(タカタ先生)

↑ かなりおかしな二人ですが(笑)、見た目によらず、真剣なインタビューとなりました!


Q :

新しい公式が出てくる度に何かないかな?と考えるんですか?

A :

そうですね。教科書はどうしても数式と文字ばかりなので、そのままだと取っつき難いだろうなという時は色々と試しますね。上手いかどうか面白いかどうかは別として「先生、それ苦しいよ」と言われてもそれでOKなのではないでしょうか?その公式で無理矢理がんばってだじゃれを作ろうとしている先生の姿に対して、生徒は何かしらのリアクションをしてくれます。そこに何かしらプラスαのコミュニケーションが生まれますよね。それが生徒との関係性を深める材料の一つにはなるのではないかと思います。

Q :

難しいことを記憶する便利ツールと思って聞いてましたが、それだけではないんですね?

A :

話しているうちに気づきました(笑)100個も作れば1,2個は名作が生まれるので、そうすると「先生、今度のはいいね」となったりします。先ほどのど根性ガエルみたいに歌にした場合は、しばらくその歌が流行ることもあります。噂を聞いた隣のクラスの子から、「先生、あの歌教えてくださいよ」とコミュニケーションが生まれたこともあります。だじゃれが良いのはスキを見せられることかも知れませんね。だじゃれがあることで、生徒が先生に対してコミュニケーションを取りやすくなる面はあるように思います。実際、生徒から「それ苦しいよー」と言われたり、「普通に覚えたが方が早くねぇ?」とツッコミが入ったりすることもよくあります(笑)でもこちらもそういう前提で出しているので、生徒の批判的なリアクションも前向きに受け止めることができます。

Q :

敢えてスキを作るコミュニケーションツール。ますますだじゃれが好きになりそうです(笑)先生にとって、だじゃれとは?

A :

正しく使うことでみんなをハッピーにできるコミュニケーションツールですかね。“ダジャーレdeござ~る!”を受けて少し変わったかも知れません。これまではどちらかというと得意技のような感じで、「ドヤ感」があったかも知れません。でもそのままだと周りをハッピーにさせられないことに気づきました。苦しいだじゃれでも、言って照れてみたり、「それ、苦しいよ!」と周りから言われるようなやり取りの方がよっぽど笑いになって、みんながハッピーになれるのかもと思えてきました。

和典さん(タカタ先生)

↑ 数字を語呂合わせにした日めくりカレンダー、『まいにち、タカタ先生!』


Q :

日めくりカレンダーを毎日、Twitter、Facebookで発信しているようですね。

A :

『まいにち、タカタ先生!』です。名言とか自己啓発的なものが好きなこともあって、松岡修造さんの『まいにち、修造!』を模して、1~31の数字で始まる名言をカレンダーにしてみようと思ったんです。

Q :

とてもよくできていますが、これはどうやって作っているんですか?

A :

奥さんが漫画家兼イラストレーターなので、作ってもらっています。写真も毎日、家の中で撮っています(笑)

Q :

素晴らしい出来ばえですね!何か今後の夢はありますか?

A :

“お笑い数学教室”や“お笑い数学協会”、“お笑い数学サミット”など、「お笑い数学〇〇」で色々な仕掛け・活動をして、数学が嫌いな人の数学のイメージを変えていけたらよいなと思ってます。これからがマスマス楽しみです!(笑)

和典さん(タカタ先生)

<あとがき>

インタビューの1週間前に“ダジャーレdeござ~る”のPart1とPart2にダブルでご参加いただき、Part2の“だじゃれ寸劇”では、さすがお笑い芸人という立ち回りを見せてくださったタカタ先生。今回のインタビューも抱腹絶倒必至と予測していたのですが、意外にも真剣に一つ一つの質問に答えてくださいました。むしろ数学という真面目な世界だからこそ楽しさが必要なのかも知れません。タカタ先生の「お笑い数学○○」が今後、どんな展開を見せるのか、スッガク楽しみです!!

インタビュー&レポート by 鈴木ひでちか


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