注目のだじゃらー Vol.27
楽書家 今泉 岐葉 さん
- お名前:今泉 岐葉(いまいずみ きよう)
- 出身地:千葉県
- 職業:楽書家(らくしょか)
- 私にとってのだじゃれ:脳トレと笑いで免疫力アップ
今回のゲストは、日々、「だじゃれ」を題材に書道作品を『楽書のSHOWでしょ』としてSNSに投稿されたり、今年7月には前代未聞の書道展『笑道の書どう?展』を開催された“楽書家”の今泉 岐葉さんにお話を伺いました。
Q(ひでちか) :
岐葉さんは、“楽書家”という大変ユニークな肩書きで活躍されておりますが、主にどのような活動をされているのでしょうか?
A(岐葉さん) :
仕事として取り組んでいるのは、商品のロゴや本の題字を書く「デザイン書道」。インテリアとして飾る「インテリア書」の制作。イベントなどで書道のパフォーマンス。書道教室などを行っています。
Q(ひでちか) :
“楽書家”との事ですが、“楽書”という言葉にはどのような意味が込められているのでしょうか?
A(岐葉さん) :
書は敷居が高くて、学校教育の中で「お習字は静かに姿勢を正して集中して上手に書くべき」というように指導されています。書道展に行っても達筆すぎて全然文字が読めなかったりするので、もっと気軽に誰でも楽しめるようにしたいという想いを込めて“楽書”と名付けました。
Q(ひでちか) :
誰でも気軽に楽しめる、「だじゃれ」と一緒ですね(笑)
A(岐葉さん) :
はい、書をもっと身近で楽しいものにしてもらいたいという想いがあって、書を書いたり、観ることによって、みんなの人生がより楽しくハッピーになれば良いと思っています。
岐葉さんデザインによるSoftBankホークス応援グッズ
Q(ひでちか) :
「人生がより楽しくハッピーに」と思うようになったきっかけはありますか?
A(岐葉さん) :
もともと天然なのかも知れないですが、私の母も根っからのポジティブで…。
Q(ひでちか) :
書道だけに初動からポジティブ?
A(岐葉さん) :
あっ、そうかもしれませんね(笑)
Q(ひでちか) :
“楽書家”として活動するようになったきっかけは何だったんですか?
A(岐葉さん) :
最初は大学を卒業し出版社に入り書道とは全然関係のない人生を歩んでいました。その後、会社を辞めて子育てをし、子供が少し大きくなるタイミングで、友達から自分の得意分野を発表するグループ展があるから参加してみませんか?と誘われ、そこに参加したのがきっかけです。
絵が得意な人、写真が得意な人、手芸が得意な人などがいる中で、私の得意分野は「書」だと思って、ハガキに書いて販売したところ、実際に売れて、それが自分の書道家としての原点ですね。嬉しくてその時の千円札は今でも取ってあります(笑)
Q(ひでちか) :
あ〜、その気持ちわかります(笑)
A(岐葉さん) :
その時の仲間から「颯」の文字を書いて欲しいと頼まれ、風が流れるようにグリーンで緑風のイメージでハガキに書いて手渡したところ、その知人が涙を流して感動してくれて。。。その経験から「人を元気にできる字を書いていきたい」と本格的に思うようになり、覚悟を決めて“楽書家”を商標登録し、本格的に活動を開始しました。
見ているだけで元気になれる存在感!
Q(ひでちか) :
“楽書”だけに商標登録は、楽勝でしたか?
A(岐葉さん) :
いや、それが楽勝じゃなかったんですよ。15年前に何かに使われていたみたいで“楽書”が、取れなかったので“楽書家”で取ったんです。でも今年に入って、再チャレンジしたら“楽書”も取ることができました!
Q(ひでちか) :
Facebookで拝見しましたが『今日の楽書』という投稿を7年以上続けられていますよね?
A(岐葉さん) :
本当に1日も休んだことがないです。どこかに行ったとしても必ず毎日作品をアップしています。最初は「だじゃれ」シリーズではなく、自分のつぶやきや季語などを書いていたんですけどね。
Q(ひでちか) :
すごいですね。色々やってきた中で「だじゃれ」シリーズ化したのは、わりと最近ということですね?
A(岐葉さん) :
はい、サブタイトルを『楽書のSHOWでしょ』にして「だじゃれ」をネタにした投稿が『もう1年半以上も続いています。
Q(ひでちか) :
もともと「だじゃれ」は、お好きだったんですか?
A(岐葉さん) :
もともと興味はありました。子どもの頃から国語、言葉遊びが大好きで、回文・しりとりの本もよく読んでいました。
あと、お笑いも大好きで、ナイツさん、ザ・ニュースペーパーさんとか好きなんですが、少し気分が落ち込んでいた時に舞台を見に行って、笑う事ですごく救われた経験があり、お笑いの方を尊敬しているんです。
お笑いでも「だじゃれ」って、よく使われてますよね。楽しい書なので「だじゃれ」で!と思って始めたんですけど、実際にこんなに長く続くとは思ってもみませんでした(笑)
Q(ひでちか) :
長く続いている理由はありますか?
A(岐葉さん) :
「だじゃれ」って、寒いとかスルーされるイメージがあると思いますが、SNSだと意外とみんなコメント返してくれるんですよ。しかも「だじゃれ」を使って(笑)
「だじゃれが書になるのが楽しみ!」、「朝、この時間が楽しみです♪」というコメントを読んでいると、続けなきゃな〜と使命感が湧いてきます。
Q(ひでちか) :
「だじゃれ」シリーズを始める前とは反響に違いがありましたか?
A(岐葉さん) :
そうですね。コメントの客層が変わりました(笑)
やっぱりおじさん達が多いかな、たまに女性もいますけど。コメントはせずとも楽しみに見ているという方も多いようです。
Q(ひでちか) :
今年の7月には「だじゃれ」を書にした書道展『笑道の書どう?展』も開催されましたね?
目にしただけで衝動が走る!『笑道の書どう?展』のパンフレット
A(岐葉さん) :
もともと展示しようと思っていて場所は押さえていたんですけど、その企画を考えている最中に千葉県では台風の自然災害があり、世の中が暗い雰囲気になってきていたので、少しでも笑いの力で明るくできないかと考え、SNSの評判も良かった『だじゃれ書道』の展示会にしちゃおうと思い開催しました。
始めは、自分で考えた「だじゃれ」だけを展示する予定でしたが、コロナで更に暗い雰囲気になってきてしまっていたので、皆さんにもっと喜んでもらいたいと考え、著名人の方に企画の意図を伝え、協力をお願いしました。結果、意外にも30人もの方が協力してくれました。
Q(ひでちか) :
すごい!よく集まりましたね。
A(岐葉さん) :
楽書の活動をしていく中で、ナイツの塙さんと番組で共演する機会があり、「だじゃれいただけませんか?」と言ったらその場で快諾していただきました。それから勢いに乗って、バイク雑誌で本の題字を書いたりして知り合ったバイク業界の人とか、イベントで知り合った人、私の“楽書”教室の生徒さんに声かけてみたら、意外と著名人と関係がある方がいて・・・予想以上に集まり過ぎて展示するスペースが無くなってしまいました(笑)。
岐葉さんの手で作品化された、著名人発案のだじゃれの数々
Q(ひでちか) :
それぞれの方に考えていただいた「だじゃれ」を岐葉さんが書かれたのですか?
A(岐葉さん) :
そうです。卓球の選手は卓球の「だじゃれ」だったり、将棋の棋士の方は将棋のことだったり。
将棋の駒に仕立てたのは私のアイデアなんですけど。それぞれの自分の分野でヨットの人は「太平洋横断は大変よう」とか。人柄というかその人の背景が見えるものもあるし、全く関係ないのもあります。
全く関係ないものの極めつけが、一番笑っちゃってお客さんからも大人気だったのが『千の風になって」の秋川雅史さんのだじゃれ。メールでとても素敵なプロフィール写真がまず送られてきたんですよ、かっこいい王子様みたい。その後にいきなり「これも愛あれモアイ?」って(笑)
もう本当に爆笑しちゃって、「あの人がこんなだじゃれを言うんだ」って。そしたら秋川さんからは「もともと、だじゃれを考えるのが好きだったんですよ」と、意外な一面を知ることができました。
秋川さんのだじゃれの文字をモアイ像にしたのは私のアイデア。だじゃれネタをどう書くか?どう表現するか?と考えるのも楽しかったです。
ダジャレ書道展「笑道の書どう?」当日の様子はコチラから!
Q(ひでちか) :
すごいですね。だじゃれの楽しさと、岐葉さんの器用なアート力がすごくつながった感じがしますね(笑)
“楽書”をされていて、どういう瞬間が嬉しいですか?
A(岐葉さん) :
やっぱり自分で書いたものを相手に見てもらって喜んでもらった時とか、「あー!」って驚きの表情があった時ですかね。
Q(ひでちか) :
アートだけにあー!っと?(笑)
A(岐葉さん) :
そうですね(笑)書に限らずですが、人生には感動と驚きがないと。「え、なにこれ?」みたいな意外な反応をいただけた時がすごく嬉しいですね。
それにはアイデアが必要じゃないですか。なので、いつも面白いことがないかな?とキョロキョロとアンテナを伸ばして日常生活を過ごしています。そうすると、普通に暮らしていても何でも面白く見えてくる。
私の“楽書”の教室の「楽書塾」でも生徒には、ただ文字を書くだけではなく、花や自然に触れたり、音楽や芸術を体感し感性を磨くことも重要だと教えています。
『アベノマスク』も岐葉さんの手にかかればご覧の通り!
Q(ひでちか) :
「楽書塾」では何を教えているんですか?単に書くだけじゃないんですね?
A(岐葉さん) :
美文字でなく、私が普段やっているのと一緒で、その言葉や漢字をどう表現するか?その表現方法の引き出しを増やせるように、私から技としてお伝えしています。
Q(ひでちか) :
面白い。
A(岐葉さん) :
最初はマネからでいいですけど、最終的にはその人のオリジナル作品になるのが一番だと考えています。
Q(ひでちか) :
「守・破・離」ですね。
A(岐葉さん) :
そうですね。そうすると、やっぱりその人の感性の問題になります。花を見てもその人にとっての「花」がある。「愛」という字一つ書くにしても、その人の経験が字に表れるので。「愛」という字をすごく明るく書く人もいるかもしれないし、隅っこに書く人もいるかもしれないし。その人の経験が字に表れる。その観点から考えると人生に無駄がないというか、私の言い方だと、つらい事さえもネタになるぞ「しめしめ」です。これぐらいの気持ちで人生を楽しめればいいんじゃないかなと。
生き物のような動感を感じる岐葉さんの作品(左:『出逢いで愛』、右:『宙』)
Q(ひでちか) :
「しめしめ」という事で、最後に締めのお言葉をいただきたいのですが、岐葉さんにとって“楽書”とは“だじゃれ”とは?それぞれ一言でいただけますか?
A(岐葉さん) :
“楽書”は私の存在意義ですかね。書道やっている人はたくさんいるけど、これは私だぞ!っていう。
“だじゃれ”は脳トレと笑いで免疫力アップかな。『笑道の書どう?展』をやった時も笑って免疫力アップして、「コロナもいちコロナ」と言っていたので(笑)
笑う事は、さまざまな病気の予防や改善に役立つことが科学的にも証明されてきています。すごく健康にも良いので、“だじゃれ”は、今の時代に求められていると思います。
Q(ひでちか) :
今後の夢や展望はありますか?
A(岐葉さん) :
皆さんが笑って元気に健康でいられる世の中になる事。そして、もっと多くの方に書の表現の面白さを伝えていければと思います。
Q(ひでちか) :
本日はありがとうございました!
<あーとがき>
実は、岐葉さんのことを最初に知ったのは、ダジャレンジャーの一人が岐葉さんと小学校時代からの友人だったのがきっかけ。触れんどこうかと思っていましたが、岐葉さんのお話を伺って、30人もの著名人の方を巻き込んでしまった、だじゃれの“磁力”の強さをあらためて感じました。カタチはないけど“磁力”のあるだじゃれと岐葉さんのような“字力”が組み合わさると、人々を“アッ”と言わせるアートが誕生するのだと思います!!
↓今回は「注目のだじゃらー」初となるオンラインインタビュー!
インタビュー&レポート by 鈴木ひでちか&中島ピロタカ
今泉 岐葉さんの関連情報は以下のサイトからご覧いただけます!
◇楽書家・今泉岐葉ホームページ
◇ダジャレ書道展「笑道の書どう?」(YouTubeダイジェスト動画)
◇JCOM番組「東関東人図鑑」(ナイツ・塙さんと共演動画)
https://www.youtube.com/watch?v=eO9YgECsPh0&feature=youtu.be
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